玄関の前の戸外の暗がりから、この様子を見ていた、見るからに運動部の大先輩といった、風采の巨漢が、声をかけた。「もうい、もうい。」私とKは、スリッパをもったまま、茫然とこの出来事を見守っていた。
暴漢とその先輩とは、何か話しながら、暗い外の闇に消えていき、議長はそのあとについて、去って行った。
Kと私とは、不快な、そして互いに恥ずかしい気持ちをもちながら、しかし語り出す勇気もなきままに、無言で室
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