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岸辺の砂浜を歩いて、鵠沼⁽⁵⁾に行き、東屋という旅館に入り、そこに留まること約一ヶ月、人生再出発について考えていた。東京の友人や、姉たちが心配して、いろいろの人が心配して訪ねてきてくれた。当時、私は伯母と姉の三人で、幡ヶ谷に住んでいたが、鵠沼からそこに帰ってからも、教室の助教授や助手や友人たちが、しきりに私を社会学教室に留めしめようと訪ねてきた。しかし私は、我を張り通して、しまいに社会学の教室を去ってしまった。その後、建部先生とは電車の中で、一度

​建部先生と私

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【注釈】

5)鵠沼(くげぬま):神奈川県藤沢市にある地域。

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