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験であったからである。他民族の生活を、じかに見た印象が強かったのはもちろんであるが、その生活文化が、驚くべく低いのであったことが印象的であったからである。釜山で見た新時代と大都市の文化の驚異に胸をさわがしていた矢先であっただけに、この被征服民族⁽²⁾の最低の生活には、心をうたれたのであろう。釜山の姉の家は、特に姉の夫は、少年時代の私と私の実兄に、新時代の世界を教えてくれた、最大の恩人であった。私らはまだ、壱岐に住んでいたころ、まだ日露戦争の前後から、『少年世間』、『少年』を愛読しは

​釜山の姉の家

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【注釈】

2)被征服民族:ほかの民族や国家によって征服され、支配下に置かれた民族を指す。

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