top of page
IMG_0336.jpeg

た、江戸時代の流行の船金庫であったのであろう。この倉庫の一番下の段の奥行の長い引き出しを引きぬいて、そのなかに手を差し入れ、背まで深くさし込むと、奥の右の方に穴のように空いている空間がある。その中に、桐で造った小箱が納めてある。高さ四寸⁽⁴⁾、縦三寸五分⁽⁵⁾、横三寸位⁽⁶⁾である。その中に、一杯金の小判が入れてあるとしたら、どのぐらいの金額になるのか、想像できることである。

私の家の仏壇の下の船箪笥の中の小箱の中にも、小判が一杯つまっていた。侍の家から嫁入りしてきた私の祖母が、この小箱のことを知らなかったの

丁字屋

​P117

【注釈】

4)高さ四寸:約12cm。(一寸は約3.03cm)

5)縦三寸五分:約10.61cm。(五分は約1.515cm)

​6)横三寸:約9.09cm。

bottom of page