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美女伝 72.JPG

らしい小娘がのっていた。枯草が山のように、小舟に積んであった。終日この二人は、私らが、今日、終日魚釣りをした磯の附近の山で、草刈りをしてきたのであろう。だんだん近づいてくる、むこうの小舟の中の小女の何と綺麗なことか。私らの舟の中は、思わずざわめいてきた。思はず出た感嘆のうなり声である。終日、草刈りをして、少し陽にやけたのであるか、紅の頬は、少しの人工をも加えない、自然の美しさに光っているようであった。健康な娘のつくらないポーズの、何というすばらしさか。むこうの舟は

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