く隔絶し、感情的に融合しえるような、一点の隙間もなかった。人間に接する態度ではなかった。確かに、人間以上か、以下のものに対する態度であった。
長い間、いわば民族の最前哨基地⁽³⁾の、にがい経験に生きぬいてきた、この島の人々は、他民族に対しては、感情が硬直し、ほぐれるようなゆとりが、できなかったのかもしれぬ。他民族のものは、みな人間以上、または以下に見たのか、特に朝鮮人だけを、人間以上または人間以下に見たのか、それは明らかでない。
けれども、由来、朝鮮の風習は、日本とは比較にならぬ
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【脚注】
3)最前哨基地:軍事や戦争における前線の最前部。