ほど、内外の別が峻厳⁽⁴⁾である。内外の別とは、性道徳の秩序である。朝鮮の事情に、よく通じていた対馬藩では、当然、その点にも、明らかであったであろうから、朝鮮の行使に対しては、婦女子が接待に出たことだけでも、むしろ行き過ぎであった。
朝鮮の田舎の朝鮮人宿では、来客のために、食事や寝具のサービスに出てくるのは、男である。終戦前に、朝鮮にあった日本人旅館に、日本人の女中がサービスに出てくるのを、朝鮮人たちは、軽蔑しきって見ていたことを、私達は観察したことが
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【脚注】
4)峻厳:物事が非常に厳格である様子。