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していた人のようであった。この少年も、小躯⁽²⁾ではあったが、大胆で、よく喧嘩もしていたようである。この少年は、例の商家の子供親分を、恐れるような気持ちなど、少しももっていなかった。また事実、彼はその子供親分らが、私にもし変なことをいったら、自分が屈伏さしてやる、と私に明言したこともある。けれども、たとい事実そうなったとしても、例の子供親分の執念深いにらみから、安心できるという感じは出なかった。

父が介入しても、母が介入しても、子どもの世界のこんな関係は、どうにもならない、と私はひそかに信じきっていた。

​暴力支配者の思い出

​P84

【注釈】

2)小駆:小柄な体

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