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れることはできなかったのである。私は、東大社会学教授から、この四十年間、いわば破門されていたのである。だから私にとっては、先日の会は、大きなできごとであった。その席上で、自己紹介があったので、そのときどうして私が破門されたかについて、説明をしようかと思ったけれども、どうもこの会の雰囲気を害する恐れがあるように感じたので、ついに破門の敬意については、説明しなかったのであるが、破門されたことの結果については、少しいわして貰った。あの日の会には、四名集まったが、古い人は明治時代に卒業した人もいた。それほど古い人などは、私の破門の一件については、知るはずはなかった。私は社会学の教室を去って、倫理の教室から出たのであるが、大学時代
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