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敢行させる偉力をもっていたことも、事実である。日本の女性は、その実、単なる人形ではなかった、何よりの証拠である。婦人の人権を認めないのは、別の問題である。命がけで愛するなら、弱いがゆえに愛するも、強いがゆえに愛するも、所詮は同じである。いけないのは、真心をもって愛しないことである。打尊のために結合し、協力しあっても、愛のない結合が、より幸福であるとも、より進歩であるとも、いえないような気もする。この世に生まれた生き甲斐に、せめて夫婦だけは、愛し合いたいものである。こんな考えは、古いと一概にいわないで、少しは考えて見るとよいと思う。

忘れ得ぬ美女伝 第一

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