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手袋24.JPG

しようと思うという決意を、母に語りだしたら、母は私の右の手を、自分の二つの掌の中に握って、涙をぽろぽろ流しているばかりでした。そばにいた兄が、  

 「栄は偉いよ」といいました。

 次の日も、次の日も、私は手袋なしで登校しました。友人たちは、予想以上に、私の手のことには無関心でありましたし、自由に活発に行動しうる、新しい生活が楽しくなりました。私は中学に入学した日に、明らかに生活の一つの大きな脱皮をしたのです。

(〔以下削除の跡あり〕今にして考えれば、私が小学校の時代に成績が、あま

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