次に、これも高等学校の寮にいたころ、Kと夕方どこかの町の夜店の通りを見物してまわっていたときの話である。
一人の学生が、町の青年と喧嘩したのであるが、学生は柔道の心得があるのか、みごとに町の青年をなげつけては倒し、なげつけては倒し、気持ちよく町の青年を制圧した。学生は、ほこらしげにその場を去って、四、五歩あるいていたとき、学生は一人のオヤジさんに、声をかけられた。この話を聞きつけて、いそいでそこにやって
P100