ようである。藩米を平戸の城下に運搬することも大きな仕事であったであろうが、藩米を平戸に運んでからあとが大変である。平戸から空船になって壱岐に帰るのではなく、南下して大村という田舎町に行き、そこでキリボシ(乾燥干薯)⁽¹⁾を買い入れ、それをもって玄界灘に出て、裏日本を北上し北海道の松前に行き、そこでキリボシを売って干鰊を買い入れ、それを積んで再び裏日本を、こんどは南下して 馬関(下関)に出て、瀬戸内海に入り、大阪まで行ってそれに銭に替え、壱岐の人々が求めていると思う商品を船一杯買
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【注釈】
1)キリボシ:芋に日本で食べられる乾燥させたサツマイモの一種。