上に多いのでないかと思われるのである。
私が壱岐で中学校に通っていたころの何年間、私の日々の生活は、一人の少年ボスのニラミばかりを気にして、一喜一憂し、ただおぞおぞして、落ちつくことができなかったことをよく覚えている。その少年ボスは、腕力も強いものと当時は思い込んではいたが、しかし彼が大きな喧嘩をした場面を見たこともなく、彼が喧嘩に勝った話を聞いたこともなかった。けれども彼は数人の腹心の少年を持っていたが、その少年たちが、彼の力を過大に伝え
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